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チェバの定理の証明します、2通りで!

三角形ABCがあり、BC上に点Pを、CA上に点Qを、AB上に点Rを、それぞれとり、AP,BQ,CRが1点Sで交わるとします。

このとき、次の等式が成り立ち、これをチェバの定理といいます。

f:id:ecole2:20181112085251j:plain

{\displaystyle\frac{RA}{BR}}{\displaystyle\frac{QC}{AQ}}{\displaystyle\frac{PB}{CP}}=1

ではこのチェバの定理を証明していきましょう。

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△ ABP: △ ACP = BP: CPなので

mを実数として △ ABP = mBP, △ ACP = mCP

と表せます。一方で

△ SBP: △ SCP = BP: CPなので

nを実数として△ SBP = nBP, △ SCP = nCP

と表せます。よって

△ASB=△ABP-△SBP=mBP-nBP=(m-n)BP

△ASC=△ACP-△SCP=mCP-nCP=(m-n)CP

それゆえ、△ASB:△ASC =(m-n)BP:(m-n)CP =BP:CP

{\displaystyle\frac{PB}{CP}}{\displaystyle\frac{△ASB}{△ASC}}

同様にして

{\displaystyle\frac{QC}{AQ}}{\displaystyle\frac{△BSC}{△BSA}}{\displaystyle\frac{RA}{BR}}{\displaystyle\frac{△CSA}{△CSB}}

となるので

{\displaystyle\frac{RA}{BR}}{\displaystyle\frac{QC}{AQ}}{\displaystyle\frac{PB}{CP}}

{\displaystyle\frac{△CSA}{△CSB}}{\displaystyle\frac{△CSB}{△ASB}}{\displaystyle\frac{△ASB}{△CSA}}=1

以上によりチェバの定理が証明されました。

今の証明は三角形の面積比を使ったものでしたが、これとは別にメネラウスの定理を使って証明することもできます。

メネラウスの定理って何?という方はぜひともこちらのページをご覧ください。

ecole2.hatenablog.com

それでは、続いての証明を見てみましょう。まず、メネラウスの定理により次の等式が成り立ちます。

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{\displaystyle\frac{RA}{BR}}{\displaystyle\frac{SP}{AS}}{\displaystyle\frac{CB}{PC}}=1‥‥(1)

同様にしてメネラウスの定理より

{\displaystyle\frac{QA}{CQ}}{\displaystyle\frac{SP}{AS}}{\displaystyle\frac{BC}{PB}}=1‥‥(2)

(2) を変形すると

{\displaystyle\frac{SP}{AS}}{\displaystyle\frac{CQ}{QA}}{\displaystyle\frac{PB}{BC}}‥‥(3)

(3)を(1)に代入するとチェバの定理の形になるので証明されました。

それではこの動画でさらなる数学力をつけましょう。

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