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三角関数の2倍角の公式、3倍角の公式の証明

今回は2倍角の公式、3倍角の公式についてです。

まず、2倍角の公式は次のようになります。

sin2X=2sinXcosX

cos2X=2cos^{2}X-1=1-2sin^{2}X

\displaystyle\ tan2X=\frac{2tanX}{1-tan^{2}X}

そして、3倍角の公式は以下の式です。

sin3X=3sinX-4sin^{3}X

cos3X=4cos^{3}X-3cosX

では2倍角の公式から証明していきたいと思います。

まず、sinの加法定理の式

sin(P+Q)=sinPcosQ+cosPsinQ

において  P=Q=X として

sin2X=sinXcosX+cosXsinX

=2sinXcosX

また、cosの加法定理の式

cos(P+Q)=cosPcosQ-sinPsinQ

において  P=Q=X として

cos2X=cosXcosX-sinXsinX

=cos^{2}X-sin^{2}X

=cos^{2}X-(1-cos^{2}X)

=2cos^{2}X-1

=2(1-sin^{2}X)-1

=1-2sin^{2}X

そして、tanの加法定理の式

\displaystyle\ tan(P+Q)=\frac{tanP+tanQ}{1-tanPtanQ}

において  P=Q=X として

\displaystyle\ tan2X=\frac{2tanX}{1-tan^{2}X}

続いて3倍角の公式を示したいと思います。

sinの加法定理の式

sin(P+Q)=sinPcosQ+cosPsinQ

において  P=2X,Q=X として

sin3X=sin2XcosX+cos2XsinX

=2sinXcos^{2}X+(1-2sin^{2}X)sinX

=2sinX(1-sin^{2}X)+sinX-2sin^{3}X

=2sinX-2sin^{3}X+sinX-2sin^{3}X

=3sinX-4sin^{3}X

また、cosの加法定理の式

cos(P+Q)=cosPcosQ-sinPsinQ

において  P=2X,Q=X として

cos3X=cos2XcosX-sin2XsinX

=(2cos^{2}X-1)cosX-2sin^{2}XcosX

=2cos^{3}X-cosX-2(1-cos^{2}X)cosX

=2cos^{3}X-cosX-2cosX+2cos^{3}X

=4cos^{3}X-3cosX

以上により2倍角、3倍角の公式が証明されました。

三角関数の2倍角、3倍角の公式はsinやcosの出てくる方程式や不等式の問題を解くときに使うことが多いですが、積分を用いて面積や体積を求める問題を解くときにも式変形などで非常に役に立ちます。

特に2倍角のほうはよく使うのでぜひとも覚えておきたいのですが、忘れてしまったときでもどのように導くかがわかっていれば公式を作れますね。

2倍角の公式、3倍角の公式はどちらも証明するためには加法定理を使ったのでした。

さて、もっと数学の力をつけたい方は次の動画を見てみましょう。

いい問題です。

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