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正弦定理と加法定理を使って余弦定理の式を求める

三角関数の代表的な定理のひとつである余弦定理ですが、今回は正弦定理と加法定理を使って余弦定理の式を求めてみたいと思います。

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余弦定理の式は

c^2=a^2+b^2-2ab\cdot{cosC}

ですが、これを変形した

a^2+b^2-c^2=2ab\cdot{cosC}

を求めたいと思います。まず正弦定理より

\displaystyle\frac{a}{sinA}=\frac{b}{sinB}=\frac{c}{sinC}=2R

(Rは三角形ABCの外接円の半径)

ここで 2R = kとおくと

a=ksinA、b=ksinB、c=ksinC となるので

a^2+b^2-c^2

=(ksinA)^2+(ksinB)^2-(ksinC)^2

=k^2(sin^2A+sin^2B-sin^2C)

ここで、C=180°-(A+B) なので

sinC=sin{180°-(A+B)}=sin(A+B)

=sinAcosB+cosAsinB  (加法定理)

sin^2C=(sinAcosB+cosAsinB)^2

=sin^2Acos^2B+cos^2Asin^2B

+2sinAcosBcosAsinB

この結果を先ほどの式に代入して

a^2+b^2-c^2

=k^2(sin^2A+sin^2B-sin^2Acos^2B-

cos^2Asin^2B-2sinAcosAsinBcosB)

かっこの中を計算すると

sin^2A(1-cos^2B)+sin^2B(1-cos^2A)

-2sinAcosAsinBcosB

=sin^2Asin^2B+sin^2Bsin^2A

-2sinAcosAsinBcosB

=2sinAsinB\times

(sinAsinB-cosAcosB)

=-2sinAsinBcos(A+B)

よって

a^2+b^2-c^2

=-2k^2sinAsinBcos(A+B)

=-2ab\cdot{cos(A+B)}

=-2ab\cdot{cos(180°-C)}

=2ab\cdot{cosC}

もっと数学の実力を伸ばしたいという方は次の動画を見てみましょう。

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