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積和公式と和積公式の証明はこれでばっちりわかります!

まず積和公式とは何かと言いますと、以下のような式になります。

\displaystyle\ sinPcosQ=\frac{sin(P+Q)+sin(P-Q)}{2}

\displaystyle\ cosPcosQ=\frac{cos(P+Q)+cos(P-Q)}{2}

\displaystyle\ sinPsinQ=-\frac{cos(P+Q)+cos(P-Q)}{2}

これらを証明するために加法定理を使います。

加法定理は以下の(1)から(4)の式ですが

(1) sin(P+Q)=sinPcosQ+cosPsinQ

(2) sin(P-Q)=sinPcosQ-cosPsinQ

(3) cos(P+Q)=cosPcosQ-sinPsinQ

(4) cos(P-Q)=cosPcosQ+sinPsinQ

ここで、(1)と(2)を足して

(5) sin(P+Q)+sin(P-Q)=2sinPcosQ

\displaystyle\ sinPcosQ=\frac{sin(P+Q)+sin(P-Q)}{2}

また、(3)と(4)を足して

(6) cos(P+Q)+cos(P-Q)=2cosPcosQ

\displaystyle\ cosPcosQ=\frac{cos(P+Q)+cos(P-Q)}{2}

今度は、(3)から(4)を引いて

(7) cos(P+Q)-cos(P-Q)=-2sinPsinQ

\displaystyle\ sinPsinQ=-\frac{cos(P+Q)-cos(P-Q)}{2}

以上により示されました。

続いて和積公式とは次のような式で

\displaystyle\ sinX+sinY=2sin\frac{X+Y}{2}cos\frac{X-Y}{2}

\displaystyle\ sinX-sinY=2cos\frac{X+Y}{2}sin\frac{X-Y}{2}

\displaystyle\ cosX-cosY=-2sin\frac{X+Y}{2}sin\frac{X-Y}{2}

\displaystyle\ sinX-sinY=2cos\frac{X+Y}{2}sin\frac{X-Y}{2}

これらの証明にも加法定理を使います。

P+Q=X、P-Q=Y とすると

\displaystyle\ P=\frac{X+Y}{2}、Q=\frac{X-Y}{2} なので

(5)より

\displaystyle\ sinX+sinY=2sin\frac{X+Y}{2}cos\frac{X-Y}{2}

(6)より

\displaystyle\ cosX+cosY=2cos\frac{X+Y}{2}cos\frac{X-Y}{2}

(7)より

\displaystyle\ cosX-cosY=-2sin\frac{X+Y}{2}sin\frac{X-Y}{2}

また、(1)から(2)を引くと

sin(P+Q)-sin(P-Q)=2cosPsinQなので

\displaystyle\ sinX-sinY=2cos\frac{X+Y}{2}sin\frac{X-Y}{2}

以上により示されました。

積和公式や和積公式は三角関数で学ぶ他の重要な定理、例えば正弦定理や余弦定理、加法定理といったものに比べると使う機会が少ないこともあってか忘れられがちです。

しかし問題によっては使うこともあるので忘れずに意識しておきたい公式ではあります。

そしてこれらの公式は覚えていることよりも導き方を知っていることの方が大切だと思います。

実際、積和公式や和積公式というのは加法定理を使って求めることができたのですね。

加法定理は三角関数を使った数学の問題を解くときによく利用する定理だと思いますがこの加法定理をうまく当てはめることで今回求めたい公式へとつながりました。

このように知っている定理をちょっとひと工夫するだけで一気に視界が開けて解決策が見えてくるというのは数学の問題でよくあることです。

今回はそんな一例を実感していただけたのではないでしょうか。

さて、ここまで読んできた方は数学力をもっと高めたくなったのではないでしょうか。

そんな方には次の動画がおすすめです。三角関数の力が向上すること間違いなしです。

この動画ですが、ただ単にタイトルが英語になっているだけで再生すれば英語は出てきません。なのでどなたでもご覧ください。

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