束の考え方についてご説明します。
f(x,y)=0,g(x,y)=0が異なる2点(a,b),(c,d)で交わるときkを実数としてkf(x,y)+g(x,y)=0という式を考えます。
この式が表すグラフがどういったものなのかさっぱりわからないですし、kの値によって様々に変化するのでまさに得体の知れない式といえます。
ただそんなkf+g=0という式にも一つだけ確かなことがあります。
それはkの値に関わらずkf(x,y)+g(x,y)=0が2点(a,b),(c,d)を通ることです。
なぜなら、まず(a,b)はf(x,y)=0上の点なのでf(a,b)=0であり、g(x,y)=0上の点でもあるのでg(a,b)=0となることから、kf(a,b)+g(a,b)=0になります。
つまり、(a,b)がkf(x,y)+g(x,y)=0上の点だと言えます。
(c,d)についても同じなので結局kf(x,y)+g(x,y)=0が2点(a,b),(c,d)を通ることがわかります。
そうです、kが6だろうと0だろうと-2だろうとルート2だろうとkf(x,y)+g(x,y)=0は2点(a,b),(c,d)を通るのです。
そしてkの値によってkf(x,y)+g(x,y)=0は円になったり直線になったり二次関数になったり三次関数になったりよくわからない曲線になったりするのです。
ですからkの値を適切なものにすればkf+g=0が求めたい2点(a,b),(c,d)を通る式になります。
例えばkの値をうまく取ることでkf+g=0がpx+qy+r=0という形になったとするとこれが2点(a,b),(c,d)を通る直線の式になります。
ここまでkf+g=0としてきましたがf+kg=0でも全く同じことが言えますね。
つまり、kをfにつけるかgにつけるかは計算しやすい方にすればよいのです。
そして、ここまで2点で交わる場合を考えてきましたが1点で交わる場合でも3点で交わる場合でももっと多くの点で交わる場合でも考え方は同じです。
例えばf=y-sinXでg=y-(xの3次関数)だとしてf=0とg=0が3点で交わっているケース(すなわちy=sinXのグラフとy=(xの3次関数)のグラフが3点で交わっている)においてこの交わっている3点を通る曲線の式を求めたいときもkf+g=0またはf+kg=0として考えればよいのです。
ですからkf+g=0やf+kg=0は、f=0とg=0が交わる点すべてを通る曲線となるのです。
それでは2つの円が交わる場合についてどのように問題を解いていくのかを見てみましょう。
問題
を実数として、2つの円
の共有点をP,Qとするとき2点P,Qを通る直線の方程式を求めよ。
解答解説
2つの円の式は
なので
としてを考えます
2つの円の共有点P,Qを通る円または直線の式はを実数として
と表されるので直線の方程式を求めるためにとすると(やを消すため)
となってこれが求めたい直線の式です。束の考え方については以上となるのですが、せっかくなので線分PQの長さが最大になるときのの値を求めてみましょう。
PQは最大でも円の直径にしかならず、求めた直線がこの円の中心を通るときにPQは最大となります。よって求めた直線の式にを代入して
は実数なので答えはになります。
さて、ここまで座標平面において重要な束の考え方を見てきたわけですが、高校数学ではこの他に三角関数も非常に重要です。なぜなら三角関数は様々な分野の問題で出てきて座標平面でも頻繁に使うからです。そんなわけで、せっかくですから今回は三角関数についても学んでいきましょう。以下のyoutube動画をご覧ください。
さらに学びたいという方は以下のページでもっと数学力を向上させましょう。